千曲市戸倉のとたに接骨院です。
引き続き肩こりについて。
前回は椎間板が傷みやすい構造について云々言っていました。
今回は椎間板以外の原因として近年広く認知されている説をご紹介したいと思います。
と、その前に、こちらの画像をご覧ください。
ちょっともったいぶります。
これは肩こりが起きやすい場所を表した図です。
赤丸の部分はほぼ全ての肩こりで症状が出る場所ですが、青丸の部分は結構個人差があります。
肩こりに悩んでいる方のほとんどが赤丸+青丸のどれか(あるいは複数)に症状があると思います。
そしてさらに、左右どちらかが明らかに強く出ている方も少なくないはずです。
そんな方に一度試していただきたいテストがあります。
まず座ったまま顎を上げて頭を後ろに倒してください。
更にコリの症状が強く出る方に頭を倒してください。
その姿勢のまま両手でおでこを下にギューッと押し付けてください。
青丸の症状が強くなった方はいませんか?
はい!そこのあなた!
あなたの肩こりは
神経根症
の可能性が高いです。
神経根とはこの右の図の赤丸の部位分の事です。
脊髄から神経線維が枝分かれしてから、椎間孔を通るために集まるまでの間を神経根と呼びます。
その神経根に何らかの原因で損傷があった場合に起こるのが神経根症です。
つまり先程のテストは、椎間孔が狭くなった時に症状が強く出るかどうか、とゆーテストなんです。
そうです。
今回お話しする肩こりの原因とはこの
神経根症
です。
神経根症が起こる疾患として代表的なのは
頚椎椎間板ヘルニア
と
頚椎症
です。
椎間板ヘルニアとは線維輪が切れて髄核が椎間板の外に飛び出してしまう状態の事です。
飛び出た髄核が神経根を圧迫していれば神経根症(図左)、脊髄を圧迫していれば脊髄症(図右)が起きますが、中間くらいに飛び出してどちらも圧迫される(脊髄神経根症)場合もあります。
この図は腰椎の椎間板ヘルニアですが、頚椎の椎間板ヘルニアもほぼ同じようなことが起きています。
前回お話ししたように頚椎の椎間板は非常に傷みやすく、その過程で椎間板に強いストレスがかかり線維輪が切れてしまうとヘルニアになってしまいます。
頚椎症とは、簡単に言えば骨の変形です。
この様に上下に真っ二つに割れてしまった椎間板は、ここからさらに変性が進むとどんどん薄っぺらくなっていきます。
そうすると椎体同士が近づき関節も不安定になってしまいます。
つまり骨同士が当たって擦れやすくなるとゆー事です。
その結果段々骨が削られていき・・・
こうなります。
椎間孔せまっ!
比較するとこんな感じです。
左は健康な第4頚椎ですが青丸が椎間孔です。
右のように変性が進むと、赤丸のように極端に狭くなってしまいます。
ヘルニアでは飛び出た髄核が、頚椎症では変形した骨がそれぞれ神経根を圧迫して神経を傷つけてしまいます。
どちらもしびれや感覚異常などの神経症状が腕に出ることで知られる疾患ですが、その初期症状として肩こり症状が表れるとゆー事なんです。
つまり神経根症で肩こりが出ている人は、そのまま放っておくと徐々に悪化して腕の神経症状が出る可能性が高いんです。
どこに症状が出るかで、どこで神経根症が起きているかだいたい推測できます。
こんな感じです。
Cとは頚椎の事です。
つまり下位頚椎で神経根症が起きると肩甲骨周りに肩こり症状が表れるとゆー事なんです。
ここまでのお話でお察しの通り、基本的に神経根症はもともとの椎間板の変性から派生的に出てくることが多いものですが、そうでないものもあります。
椎間孔が極端に狭くなるような姿勢を長時間続けていた場合などに起こる場合もあるのです。
代表的なのは寝違えですね。
朝起きたら首から背中にかけて痛みが出ているなんてことは多くの方が経験あるのではないでしょうか?
そんな症状が神経根症の場合があるんです。
ひどい症状の場合は腕にかけて痛みや痺れを伴いケースも決して珍しくありません。
あとは先程のテストのような姿勢で作業をしていた場合なども、神経根症による肩こりが発生する原因となります。
ずっと上を向いたまま首をひねって作業していると異様に肩がこることありませんか?
それです。
ここまで椎間板や神経根症のお話をしてきましたが、肩こりが起きるメカニズムについては何となくご理解いただけたかなと思います。
恐らく皆さんが今考えてることは
じゃーどーせいっちゅーねん!!!
ってことじゃないですか?
つまり予防策はあるのかと。
安心して下さい。
ありますよ。
次回は
どうすれば肩がこらずに済むのか?
どうすれば肩こりが楽になるのか?
その対策法について云々言いたいと思いますので乞うご期待。
いやもうほんっと肩こる・・・
などと云々。
〈続きはこちら〉
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