2019年9月24日
最終更新: 2020年6月5日
今回も引き続き肩こりについて云々言っていきます。
前回は肩こりの原因についての云々でした。
最大の原因は椎間板だよと。
今回はなぜ椎間板が傷んでしまうのか?とゆー謎について迫ってみようと思います。
まずは椎間板の構造から。
頚椎の椎間板はこの赤丸の部分です。
構造はこんな感じです。
この画像は腰椎の椎間板のモデルですが、椎間板自体に構造は頚椎も腰椎も基本的には同じです。
薄い線維性の軟骨が何層にも重なって輪っかを作っていて、その中に水分をたくさん含んだ髄核というものが入っています。
簡単に言えばバウムクーヘンの中にゼリーが入ってるような構造です。
骨と骨がぶつからないようにクッションの役割をしています。
いわゆる緩衝材ですね。
赤矢印のような縦にかかる圧力に対して非常に強い構造になっています。
つまり椎間板自体が
になっているわけなんです。
ここがポイントです。
では次に頚椎の動きについて少しお勉強しましょう。
皆さん首を回してみて下さい。
いろんな方向にグルグル動きますよね?
でも実は頚椎の動きは大きく分けて3方向の動きしかないんです。
これだけです。
この3方向の動きを同時に行うことで首はいろんな方向にぐるぐる回るのです。
そこでこの表をご覧ください。
赤い枠で囲った部分は頚椎のそれぞれの動きの平均的な角度を表しています。
注目して頂きたいのが下線を引いた「回旋」の項目です。
頚椎全体で50度回旋するのに対して環軸関節だけで35度回旋しているのです。
環軸関節とは・・・
第一頚椎と第二頚椎の間、この赤い丸で囲った部分です。
んです。
その他の関節で残り3割を少しずつやっているだけなんですね。
つまり
であり、その逆に
ということなんです。
ここも重要なポイントです。
そしてもう一つ頚椎の特徴的な構造をご紹介します。
それは
です。
この赤丸で囲ってある部分なんですが、別名「ルシュカ関節」と呼ばれています。
ルシュカってゆーのはこれを発見した先生の名前です。
腰椎や胸椎は椎間板にある程度厚みがあるため上下の椎体が接する部分はありませんが、頚椎は椎間板が薄く、さらに椎体の外側から後ろにかけてカップ状にせり出している為椎体同士が接しているんです。
骨同士が直接ぶつからないように椎間板の縁が挟まるような構造になっているのですが
んです。
簡単に言えばバウムクーヘンの端っこに、水平に切込みが入っているようなイメージです。(伝わった?)
これもまた重要なポイントです。
さて、ここまで3つの重要なポイントをお話ししました。
この3つこそが頚椎椎間板が傷みやすい理由なんです。
いよいよここから本題です。(だから前置き長えよ)
先程表で見た通り環軸関節の回線の角度は平均で35°です。
皆さん、35°ずつ左右に回してみて下さい。
環軸関節だけで出来る回旋はたったこれだけです。
それ以上の回旋は環軸関節以外も一緒に回旋させなければ出来ないんです。
では皆さんが日常生活の中で首を回すシチュエーションってどんな時ですか?
自動車や自転車に乗っていて左右の安全確認するときや、誰かに呼ばれて振り返るとき、スポーツでも首をひねることは多々あると思います。
まず無理だと思います。
つまり回旋を想定していない関節を回旋させながら生活しているのです。
体の組織は想定していないストレスに対して損傷を受けやすいんです。
環軸関節以外の関節も椎間板も回旋の動きには損傷を受けやすいんです。
ここで問題なのが鈎椎間隙です。
もともと椎間板の縁にあるすき間ですが、椎間板の損傷を繰り返すことによってそのすき間は徐々に広がっていきます。
そしてそれが真ん中まで達したとき
されてしまいます。
こんな感じです。
こうなると後は椎間板がどんどん薄くなっていき骨の変形も進んでいきます。
ちなみにこの図のモデルになった献体は
のものです。
そりゃ10~20代でも肩がこるわけですよ。
日本では国民の実に約7割が肩こりに悩んでると言われていますが、その理由がお判りいただけましたでしょうか?
肩こりの原因として最もポピュラーな説である椎間板についてご紹介しました。
しかしここ数年、肩こりの原因として言われている新たな説があるんです。
次回はその説について云々言いたいと思います。
などと云々。
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