2018年11月5日

続・足の捻挫〈 足関節不安定症1〉

最終更新: 2020年10月8日

千曲市戸倉のとたに接骨院です。

以前足の捻挫についてたくさん云々言ってました。

(まだご覧になってない方はこちらからどうぞ。)

これからは実際に当院に来た患者さんの症例をご紹介していきたいと思います。

もちろんご本人の許可を頂いて掲載しますのでご安心を。


患者さんの基本情報はこちら。

・30代女性

・階段下降中に左足を捻り負傷。強い痛みは無かったものの1週間経過しても腫れと痛みが引かなかったため来院

備考:学生時代にひどい捻挫をしたが直後から無理をして部活を続けていたそうで、それ以降左足ばかり捻るようになったとの事

で、撮ったエコー画像がこちら。

ATFL比較画像

青線で描いたのが前距腓靭帯(ぜんきょひじんたい)です。右側の画像は比較をする為に撮った健側(正常な方)です。

まず注目すべきポイントは靭帯の「厚み」と「弛み」です。

靭帯は細かい線維が束になって出来ています。

その切れた線維がうまくくっつかずに、いわゆる「ケバケバ」が残ってしまっているのです。

ケバケバ

ちょうどこんなイメージですね。

その「ケバケバ」の分だけ厚みが増しています。

そして次は靭帯にストレスをかけて撮った画像です。

ATFLストレス撮影比較画像

切れた断端が開いてはっきりと映りました。

エコーならこれだけはっきり見えるのです。

そして最も重要なのが次の画像です。

ATFL距離比較画像

上がストレス無しで撮った画像、下がストレスをかけて撮った画像です。

ストレスをかける前と後で、骨の間の距離に違いが無いか見ています。

右の健側の画像は距離の違いがありませんが、左はオレンジの線まで距離が開いてしまっています。

つまりそれだけ靭帯が弛んでしまっていて、関節が不安定になっているという事です。

この症例は、学生時代に捻挫をしたときに切れた前距腓靭帯がうまくくっついておらず、「足関節不安定症」になっています。

この切れた靭帯が今からくっつく事はありませんので、リハビリでバランスを向上するトレーニングをして捻りにくくする必要があります。

また、運動時にはサポーターをすることで捻るのを予防するとともに、関節を痛めるのも予防しなければなりません。

この方はまだ30代と若く、関節の変形はまだ顕著に出ていません。

今からしっかりとリハビリをしておけば、今後の変形性関節症を予防することができます。

こんな感じで、今後も実際の症例を紹介していきたいので乞うご期待。

などと云々。

〈続きはこちら〉

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